佃島の佃煮片手に、月島もんじゃストリートから築地を徘徊する日曜日

古い町と高層マンションが同居する佃地区 ふらり
古い町と高層マンションが同居する佃地区




先日、日本橋のたもとから発着する「日本橋クルーズ」で、日本橋付近の川をウロウロしていると、「佃島」の紹介がありました。佃島といえば、400年以上の歴史があるとされる「佃島(つくだじま)の盆踊(ぼんおどり)」が有名で、佃島念仏踊りともいわれ、佃島の夏の風物詩となっています。

佃島とは?

佃地区は江戸時代に徳川家康が摂津国佃村(現・大阪市)から漁師を呼び、ここで佃煮を中心とした街づくりが行われたことに由来し、この時に盆踊りが一緒に持ち込まれたことが起源とされています。佃島の盆踊りは、無縁仏の供養・回向のための行事として今日まで続けられているといい、1976年には東京都指定無形民俗文化財に指定され、地元住民を中心に、毎年多くの人でにぎわいます。そんな佃島の盆踊りですが、長年運営してきた団体と、地元住民が新たに設立した団体が主催権を巡って溝が深まっており、それぞれの日程で2度の盆踊りが開催される可能性も出てきた、という報道がありました。まだまだ来年の予定ということですが、すでに両団体ともに公園の会場使用許可申請書を提出したようです。とはいえ、昨年も同様の争いがあったということですから、今後はますますエスカレートすることが予想されます。共存という視点では、当面2団体が時期をずらしながら別々に実施し、観光客を呼び込めばいいと思います。

古い町と高層マンションが同居する佃地区

古い町と高層マンションが同居する佃地区

佃島一丁目付近の民家の隙間には、謎の小道があり、ある場所へとつながっている・・・。

佃島一丁目付近の民家の隙間には、謎の小道があり、ある場所へとつながっている・・・。

民家の中には、佃天台地地蔵尊と巨大なイチョウの木がある

民家の中には、佃天台地地蔵尊と巨大なイチョウの大木がある

佃島の佃煮屋の古民家店舗鑑賞

さて、そんな佃島ですが、隅田川からほんの少しのぞく風情ある街並みの中で、今でも佃煮が作られているということで、古民家見学のつもりで行ってみました。佃島には現在でも3~4件の老舗佃煮屋があり、それぞれ少しづつ異なる素材を用いた佃煮が販売されています。

佃島の佃煮屋「元祖佃煮天安」は、天保八年(1837年)に創業し、初代「安吉」さんが天保年間の天と「安吉」の安をとり『天安』と商号を命名したことが屋号の由来だそうです。店舗ですのでじっくりと店内を鑑賞することはできませんが、木造在来工法でなかなか趣のある作りがあって良い商店です。

「たれ」は色々な素材を煮た時の最後に残る煮汁です。この煮汁には180年分のあらゆる素材の味が染み込んでいます。この「たれ」が佃煮屋天安そのものです。 商品は昔ながらの貝類・海藻・小魚を中心に味付けをしています。

佃島の佃煮屋「天安」

佃島の佃煮屋「天安」

すぐ近くに、もう一軒の佃煮屋「本家佃煮佃源田中屋」があります。こちらの建物は比較的最近建てられた鉄骨構造ですが、店内は昔ながらの雰囲気が残っていました。

本家佃煮佃源田中屋

本家佃煮佃源田中屋

さらに近くには「丸久の佃煮」があり、こちらでも佃煮を買って食べ比べてみましたが、どちらの佃煮も甘辛でおいしいですね。
値段は100gで500~700円のものが多いのですが、3店舗も買うと、当分佃煮には困らない感じです。

どのお店も、でんぶやエビ、シラスはあったのですが、個人的にはイナゴに挑戦したかったので、将来に備え、エビをイナゴだと思ってイメージトレーニングしながら美味しく頂きました。

佃島の佃煮屋3店舗で、佃煮の味比べ

佃島の佃煮屋3店舗で、佃煮の味比べ

佃島からてくてく歩いて月島もんじゃストリートへGO!

佃島から月島もんじゃストリートは徒歩5分程度。午前中に佃島散策をしたら、ランチで月島もんじゃ、というのが定番コースでしょうか。

1980年ごろで10軒くらいから始まったとされる月島もんじゃの歴史ですが、今では35軒ものもんじゃ屋があるそうで、今回は「路地裏もんじゃ もん吉 月島本店」へ行きました。選んだ理由は店構えが古っぽい感じであったという点です。

もん吉はもんじゃストリートのメインからわきに入った路地裏にあります。恐る恐る店内に入ると、いたって普通の店内でした。オススメされた「もん吉スペシャル」には、タコ、イカ、豚、ソバなどがたっぷり入ったまさにスペシャルメニュー。もんじゃとお好み焼きを1点ずつオーダーをして、早速昼飲みとなります。

ところで、もんじゃ焼きとお好み焼きの材料はほとんど同じなのに、なぜもんじゃ焼きはいつまでも固まらずにブクブクし続けるのでしょうか。もんじゃ焼きは、ゆるく水溶きした小麦粉を鉄板で調理して食べる東京近郊のローカルフードで、ここに線キャベツや駄菓子などを放り込んで焼きながら食べる、ということが昭和世代の方に聞いた話です。また、その名称は、鉄板に文字を書きながら食べる「文字焼き」が起源ともいわれているようです。今ではすっかり粉もの代表格として「大好きリスト入り」していますが、初めてもんじゃを食べたときは、食べ時が分からないし、ヘラがやたら熱いし、大いに困惑したことを覚えています。

これまで、もんじゃとお好み焼きを同時に頼むことが何度もありましたが、もんじゃが固まらない理由について、きちんと向き合ったことがありませんでした。いつまでもブクブクしているのは、ひょっとしたら、これまで小麦粉が主原料を思っていたけど、これは勘違いで、本当は「片栗粉」が主原料なのではないか?つまり、あんかけ・・・?などと真剣に考えこんだ末、店員の兄さんに確認したところ、「小麦粉っすよ、あと出汁っすねー」と回答をいただきました。

今のところ、お好み焼きが固まって、もんじゃが固まらない理由は「たまご」の有無である、ということで落ち着いています。

路地裏もんじゃ もん吉 月島本店

路地裏もんじゃ もん吉 月島本店

路地裏もんじゃ もん吉 月島本店の「もん吉スペシャル」

路地裏もんじゃ もん吉 月島本店の「もん吉スペシャル」

もん吉では、お店の人に焼いてもらうこともできます

もん吉では、お店の人に焼いてもらうこともできます

明太チーズお好み焼き

明太チーズお好み焼き

お好み焼きの切り方は、ピザカットとチヂミカットがある

お好み焼きの切り方は、ピザカット(左)とチヂミカット(右)がある

月島もんじゃストリートから築地へGO!

月島から築地も歩いて15分程度の距離感ですので、散歩の続きです。途中、勝どき橋を渡りますが、この橋も、日本橋クルーズで紹介してくれます。厚い鉄板を鋲で接合したこのマッチョな橋は1940年に完成した日本に現存する数少ない「跳開橋」です。現在は動いたりはしませんが、その風格たるや実に「勝鬨(かちどき)」という名称にふさわしい橋です。

勝どき橋

勝どき橋

勝どき橋の少し先に築地市場が見えてきます。

2018年6月6日(水)から6月10日(日)までの5日間、東京・築地の波除稲荷神社(なみよけいなりじんじゃ)で、夏越し大祭「つきじ獅子祭(つきじししまつり)」が開催されていました。雨ということもあり、人影はまばらでしたが、お祭りの感じは楽しめます。

「つきじ獅子祭(つきじししまつり)」

「つきじ獅子祭(つきじししまつり)」

「つきじ獅子祭(つきじししまつり)」

「つきじ獅子祭(つきじししまつり)」

という訳で、佃島から月島もんじゃを経て、築地市場までの散歩コースとなりましたが、4~5時間程度で回ることができます。晴れた日であれば、ゴールの築地でディナーも良いかもしれません。

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