初夏の南房総をドライブ中、ふと交差点を曲がったその先に、MUJIの文字が見えました。
「里のMUJI みんなみの里」とあり、無印良品が運営する道の駅的な施設のようです。
「里のMUJI みんなみの里」とは
プレスリリースによると、「里のMUJI みんなみの里」とは、千葉県鴨川市が設置する総合交流ターミナルのことで、良品計画が指定管理者として、この施設の運営を行っているものです。改装費約2億円(出所)をかけ、ゴールデンウィークの直前である2018年4月27日(金)リニューアルオープンしたばかりの出来立てほやほやです。
もともとの施設は、郷土の文化や地域の産品を紹介したり農業体験を通じた都市住民との交流など、地域情報の発信基地として幅広い活動を行うなど道の駅的な存在であったようです。この施設が指定管理者である無印良品のコンセプトに沿って改装され、地域の産品販売を引き継ぎながらも、「Café&Meal MUJIみんなみの里」や通常の無印ショップが設置されています。
以前から良品計画は、2014年5月から「鴨川里山トラスト」として、田植え・田の草取り・稲刈りなどの農業体験イベントを行ってきました。2016年からは、棚田のみならず、畑、果樹園、雑木林、炭焼き小屋、古民家などがある里山全体の「時間と空間」を価値ある社会の共有財産として保全するため、「無印良品 鴨川里山トラスト」と名称を変更して活動の幅を広げています。2017年4月26日には鴨川市と良品計画が「地域活性化に関する協定」を結んでいることもあり、良品計画のこれまでの支援が市民に理解されつつあるということでしょうか。
MUJIらしい店内ディスプレーに仕上がっていますが、道の駅によくある「地域の方の手作り民芸品」もちゃんと取り扱っています。
カフェスペースを併設していることもあり、若干、物販スペースが狭く品数が少ないように感じますが、これから増えいていくことを期待したいです。
「Café&Meal MUJI みんなみの里」
Café&Meal MUJIは、「里のMUJI みんなみの里」の中にある、地域の農産物や特産品の販売所に併設されており、里山の景色を楽しむことができるテラスを備えたカフェ&軽食のお店です。カフェのメニューはそれほど豊富ではありませんが、当然MUJIプロデュースですので、地元の食材を使ったメニューが提供されています。
オープンして間もないこともあり、認知度は高くないと思うのですが、地元の方で混雑していました。
現時点のごはん系メニューは・・・
- 「みんなみの里山プレート(1,200円)」…旬の素材を使って丁寧に作った料理に、デザートがついた一汁三菜プレートです。
- 「鴨川野菜の押し寿司(1,000円)」…色鮮やかな酢飯に、しめ鯖と地元の野菜を合わせた押し寿司です。
- 「ジビエカレー鴨川野菜乗せ(900円)」…猪肉と豚肉のキーマカレーに旬の野菜をローストしてトッピングしました。
- 「バターチキンカレー(900円)」…無印良品で人気のバターチキンカレーとローストした鴨川野菜がよく合います。
- 「房総なるかポーク丼(900円)」…地元の銘柄豚を甘辛いたれで煮込んで焼き上げ、酢飯と合わせさっぱりと仕上げました。
- 「わかめ麺 千葉ねぎのかき揚げのせ(800円)」…千葉ねぎをメインにしたかき揚げをのせた温かいわかめ麺です。
- 「冷静わかめ麺 旬の野菜添え(800円)」…地元の野菜をもちもちとした食感の冷たいわかめ麺と合わせました。
- 「ケールと豆腐のチキンバーガー(500円)」…ケールと豆腐を入れたチキンのパテに、フレッシュ野菜と特製ケチャップソースを合わせて仕上げました。
- 「房総なるかポークのホットドッグ(300円)」
- 「房総なるかポークのアメリカンドッグ(250円)」
- 「鴨川フライドポテト(250円)」
- 「長狭米の雑穀おにぎり(1個:150円)」 など
デザート系メニューは・・・
- わらびもちパフェ(600円)…抹茶くずもちと寒天にたっぷりわらびもちを添えた和のパフェです。
- フルーツパフェ(600円)
- コーヒーゼリー(500円)
- クリームフルートあんみつ(600円)
- 本和香糖の焼きプリン・ア・ラ・モード(600円)
- 本和香糖の焼きプリン(400円)
- 森林ノ牧場のジャージー牛乳ソフトクリーム(350円)
- わらびもち(350円)
訪問日はゴールデンウィーク期間でもあり、ちょっと混雑していました。
また、オープン後、日数もたっていないこともあり、スタッフの皆さんは慣れていない方が多いと思われ、「料理の提供には30分かかる」とのことでした。
すぐ出てきそうな、「ジビエカレー鴨川野菜乗せ(900円)」を注文したところ、15分ほどで出てきました。
※レジでのオーダーまでに時間がかかるようです。
田舎道の無印良品ショップ
通常の無印良品の商品を取り扱ったショップもありますので、ここでペンやファイル、衣類を購入することもできます。
正直なところ、交流センターに民間のショップが入っていることに対し、当初は違和感を感じましたが、前出の通り、交流施設の指定管理者として運営していくためには、財務面でも体制がしっかりしている必要があります。前回までの指定管理者(平成23年4月1日から平成 28 年3月 31 日まで)は、「指定管理者管理運営状況年度評価票(27年度)」でその点を指摘されていました。
- 経営状況:指定管理者としての経営状況は、安定している。…C評価
-
財務状況:団体の財務状況は、業務の継続が可能な状態である。…C評価
この評価表では、改善方法など特記事項があり、「地域農業の振興と活力ある地域の形成に資することを目的に、利用者(生産者・消費者)の利便性の向上及び利用の増大を図っていることは顕著であるが、安定した事業を継続する為には、資金の確保が必要となることから、収益性の高い事業を展開していく必要がある。」と記載されています。
一般的な観光地での食堂では、ソバやうどん、カレーなどが提供されますが、1食500~600円が何十食売れても、材料費や人件費などで十分に利益を出すことが難しいのです。そのため、同じカレーでも材料を良くしたり、店舗の雰囲気を良くするなどの工夫により収益を上げていくのです。
とはいえ、食堂と農産物の販売だけでは人件費も賄えないため、「ついで買い」が促せるような商材を置かざるを得ないと判断した結果、MUJIのショップを入れるということになったのではないでしょうか。このショップで一定の利益を確保しつつ、中長期的に赤字が出ないように運営していくための一つの方法です。地理的にも人口の多い地域からは遠く、べらぼうに儲かるような感じがありません。良品計画も地域活性化のために、指定管理者になったと考えられます。
地域の実情に合わせ、余裕のある企業が行政と共同し、社会貢献として利益を還元していくモデルだと思います。
カフェのメニューと合わせて、引き続き定点観測したい場所ですね。
コメント
[…] 先日、千葉の無印良品の道の駅に行きましたが、このすぐ近くに鴨川が誇る地域最大級の「南房総カステラ工房 ルアーシェイア(まん月)」があります。 […]
[…] 先日、「里のMUJI みんなみの里」のほど近い、南房総あたりをウロウロしてきましたが、すぐ近くに「ガラス工房アルコス」というガラスづくりの体験ができる工房へ行きました。 […]