最近、スーパーをプラプラしていると、野菜の価格がひと頃よりもずいぶん落ち着いているように感じます。一時期、数百円だったレタスや白菜が100円程度です。全国的な傾向はどうだろうかと考えていると、そんな調査結果が出ていました。
野菜の生育状況及び価格見通し(平成30年12月)について
農林水産省では、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況及び価格見通し(平成30年12月)について、主産地等から聞き取りを行い、その結果を毎月公表しています。
ここ数年、天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている中で、野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信するため、平成23年より、主産地、卸売会社、中間事業者等から聞き取りを行い、その結果を農林水産省ホームページに掲載しています。
最新のレポートでは、それぞれ以下の通りです。
根菜類(だいこん及びにんじん)
だいこん、にんじんともに、10月下旬以降、気温が平年を上回って推移したため、9月の長雨、日照不足や台風第24号に伴う塩害により、生育が遅延したほ場において、生育が回復。
また、だいこんは肥大が良好となり、太物傾向。生育の前進も見られる。
葉茎菜類(はくさい、キャベツ等)
はくさい、キャベツともに、10月下旬以降、気温が平年を上回って推移したため、9月の長雨、日照不足や台風第24号に伴う被害により、生育が遅延したほ場において、生育が回復。
また、はくさい、キャベツに加えて、レタスも肥大が良好となり、大玉傾向。
ほうれんそうは、生育が前進傾向。
ねぎの生育は平年並み。
果菜類(きゅうり、なす等)
10月下旬以降、日照時間が平年を上回って推移したため、生育は良好。
土物類(ばれいしょ、さといも及びたまねぎ)
ばれいしょは、北海道での収穫は終了。長崎県での生育は平年並み。
さといもの生育は平年並み。
たまねぎは収穫終了。
今後の生育、出荷及び価格見通し
今のところ、天候不順等による価格変動はなさそうですね。今後の見通しも以下の通り示されています。
どうも、たまねぎの価格が高まりそうです。
だいこん
シェア:千葉(50%)、神奈川(41%)
- 千葉県及び神奈川県において、10月下旬以降、気温が平年を上回って推移したため、9月の長雨、日照不足や台風第24号に伴う塩害により、生育が遅延したほ場で生育が回復し、出荷が後ろ倒しとなった。
- また、9月の天候不順の影響が小さいほ場や、影響がないほ場では、肥大が良好となり、太物傾向となった。加えて、生育も前進傾向。
これらのことから、11月の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移。 - 千葉県及び神奈川県において、12月も出荷数量が多い状況が続く見込み。
にんじん
シェア:千葉(82%)
- 千葉県において、9月の長雨、日照不足や台風第24号に伴う塩害により、生育が遅延したため、11月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。
- 千葉県において、10月下旬以降、気温が平年を上回って推移したため、生育が徐々に回復傾向であることから、12月は出荷数量、価格ともに平年並みに戻る見込み。
はくさい
シェア:茨城(96%)
- 茨城県において、10月下旬以降、気温が平年を上回って推移したため、9月の長雨、日照不足や台風第24号に伴う風害により、生育が遅延したほ場で生育が回復し、出荷が後ろ倒しとなった。
- また、9月の天候不順の影響が小さいほ場や、影響がないほ場では肥大が良好となり、大玉傾向となった。加えて、生育も前進傾向。
これらのことから、11月の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移。 - 茨城県において、12月も出荷数量が多い状況が続く見込み。
キャベツ
シェア:愛知(49%)、千葉(27%)、茨城(12%)
- 愛知県、千葉県及び茨城県において、10月下旬以降、気温が平年を上回って推移したため、9月の長雨、日照不足や台風第24号に伴う被害により、生育が遅延したほ場で生育が回復し、出荷が後ろ倒しとなった。
- また、愛知県及び茨城県において、9月の天候不順の影響が小さいほ場や、影響がないほ場で肥大が良好となり、大玉傾向となった。
これらのことから、11月の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移。 - 愛知県、千葉県及び茨城県において、12月も出荷数量が多い状況が続く見込み。
ほうれんそう
シェア:群馬(37%)、茨城(32%)、千葉(10%)
- 群馬県及び茨城県において、10月下旬以降、気温が平年を上回って推移したため、生育が前進し、出荷が前倒しとなったことから、11月の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移。
- 群馬県及び茨城県において、出荷の前倒しにより、ほ場に残る株数が減少したものの、後続のほ場においても生育が前進しているため、12月の出荷数量は総じて平年並み、価格も平年並みに戻る見込み。
ねぎ
シェア:千葉(24%)、茨城(16%)、埼玉(15%)
- 千葉県、茨城県及び埼玉県において、生育が平年並みであるため、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
レタス
シェア:静岡(26%)、茨城(23%)、長崎(11%)
- 静岡県及び長崎県において、11月上旬以降、気温が平年を上回って推移したため、肥大が良好となり、大玉傾向となったことから、11月の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移。
- 茨城県において、生育が平年並みであるものの、静岡県及び長崎県において、12月も出荷数量が多い状況が続く見込み。
きゅうり
シェア:宮崎(35%)、千葉(20%)、埼玉(16%)
- 宮崎県において、10月下旬以降、日照時間が平年を上回ったため、生育が良好となり、着果状況が良好となったことから、11月の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移。
- 千葉県及び埼玉県において、生育が平年並みであるものの、宮崎県において、引き続き着果状況が良好であるため、12月前半出荷数量が多い状況が続く見込み。
- 宮崎県において、11月中旬以降、日照時間が概ね平年並みで推移したため、開花状況が平年並みとなったことから、12月後半の出荷数量は平年並みに戻る見込み。
なす
シェア:高知(62%)、福岡(18%)
- 高知県及び福岡県において、10月下旬以降、日照時間が平年を上回ったため、生育が良好となり、着果状況が良好となったことから、12月前半の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回る見込み。
- 高知県及び福岡県において、11月中旬以降、日照時間が概ね平年並みで推移したため、開花状況が平年並みとなったことから、12月後半の出荷数量は平年並みに戻る見込み。
トマト
シェア:熊本(41%)、愛知(17%)、栃木(15%)
- 愛知県において、生育が平年並みであるものの、熊本県及び栃木県において、10月下旬以降、気温及び日照時間が概ね平年を上回ったため、生育が良好となり、開花状況、着果状況ともに良好となったことから、12月の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回る見込み。
ピーマン
シェア:宮崎(33%)、茨城(22%)、高知(15%)
- 城県において、生育が平年並みであるものの、宮崎県及び高知県において、10月下旬以降、日照時間が平年を上回ったため、生育が良好となり、着果状況が良好となったことから、12月前半の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回る見込み。
- 宮崎県及び高知県において、11月中旬以降、日照時間が概ね平年並みで推移したため、開花状況が平年並みとなったことから、12月後半の出荷数量は平年並みに戻る見込み。
ばれいしょ
シェア:北海道(80%)、長崎(19%)
- 出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
さといも
シェア:埼玉(58%)、千葉(17%)
- 千葉県において、7月の高温、少雨等により生育が低下し、小玉傾向となったものの、埼玉県において、生育が良好となったため、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
たまねぎ
シェア:北海道(95%)
- 北海道において、6月中旬から7月上旬にかけての長雨に加えて、7月中下旬の高温、少雨に伴う生育の低下により、小玉傾向となった地域があったため、在庫数量が減少。
- このため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。
注:「平年並み」とは、平年との比率が80%以上、120%未満であることを示している。
野菜の価格推移グラフ
にんじんは11月上旬から12月にかけて、大幅に値段が下がっているようです。
たまねぎは平年の120~130%あたりを行ったり来たりしており、まだまだ価格は落ち着かなそうです。
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