最近の小売物価の推移

小売物価統計調査(動向編) 小麦粉の価格推移は上昇傾向。 粉もんではないけど
小売物価統計調査(動向編) 小麦粉の価格推移は上昇傾向。




2018年初めに小麦粉の値上げが実施され、1年が経過しますが、物価はどの程度影響を受けたのでしょうか。お店で売られている物の価格を調査があるので、「主要品目の東京都区部小売価格」を見てみましょう。

東京の小売価格調査

総務省統計局では、「小売物価統計調査」として、国民の消費生活上重要な財の小売価格,サービス料金及び家賃を全国的規模で小売店舗,サービス事業所,関係機関及び世帯から毎月調査し,消費者物価指数(CPI)や,その他物価に関する基礎資料を得ることを目的として,1950年6月から実施しています。
調査概要

価格調査のルール

  • 調査店舗が実際に消費者に販売している価格を調査することとしている。
  • 各品目の代表的な価格を調査するという観点から、短期間の特売価格や棚ざらい在庫一掃セール等の特売価格は原則として調査しない。
  • また旬別調査品目は調査日とその前2日間(計3日間)の中値を調査する。

粉もんが抜粋した品目

たくさん調査結果があるので、粉もんの小麦粉的な視点で、以下13品目を、穀物系、パン系、麺系と勝手に分類します。

  1. 穀物系
    • うるち米(単一原料米,「コシヒカリ」)(1袋・5kg)
    • うるち米(単一原料米,「コシヒカリ」以外)
    • もち米(1kg)
    • 小麦粉(1袋・1kg)
    • も ち(1袋・1kg)
  2. パン系
    • 食パン(1kg)
    • あんパン(100g)
    • カレーパン(100g)
  3. 麺系
    • ゆでうどん(1kg)
    • 干しうどん(1kg)
    • スパゲッティ(1kg)
    • 即席めん(1個・77g)
    • 生中華めん(1kg)

 

穀物系の価格推移(60か月)

小売物価統計調査(動向編 穀物系の価格推移(60か月)

小売物価統計調査(動向編 穀物系の価格推移(60か月)

穀物系では、うるち米「こしひかり」が2,496円から2,466円へと98.8%の微減となっています。概ね同水準です。

同様に、コシヒカリ以外も100.3%とほぼ同水準で維持しています。

もちは685円から731円と107%ほどの増加となっており、その原料となるもち米は572円から599円へと5%ほどの値上がりとなっています。

そして小麦粉は特徴的な値動きをしており、政府の価格上昇も受けて、この60か月間で、228円/kgから256円/kgへと、12.3%の値上がりとなっています。ちょうど一年前、各メーカーが値上げした影響が出ているのでしょう。
小麦粉の価格推移を抜粋すると、2018年に入ってから急に価格が上がっています。

小売物価統計調査(動向編) 小麦粉の価格推移は上昇傾向。

小売物価統計調査(動向編) 小麦粉の価格推移は上昇傾向。

パン系の価格推移(60か月)

小売物価統計調査(動向編 パン系の価格推移(60か月)

小売物価統計調査(動向編 パン系の価格推移(60か月)

食パンの価格は418円/kgから436円/kgへと4.3%の値上げとなっています。
最近は高級食パンブームですので、今後も全国的に価格は上がっていく予感がします。

カレーパンは96円/100gから106円/100gへと10.4%の値上げとなっています。カレーパンは小麦粉の他、カレー用スパイス、ニンジンなどの野菜類、揚げるためのパン粉、卵など、かなり多くの材料を使うこともあり、値上げ幅が大きくなっているのでしょう。
※それなのに、1個100円くらいで売られているカレーパンはいいやつです。

あんパンも86円/100gから91円/100gへと5.8%の値上げとなっています。店頭であれば、1個当たり5円の値上げは一大事です。
あんパンに使われるあずきは、国内産であれば8割程度が北海道産ですが、あんの状態で輸入されるものもあります。

麺系の価格推移(60か月)

小売物価統計調査(動向編 麺系の価格推移(60か月)

ゆでうどんは393円/kgから439円/kgへと、11.7%と大きく値上げされています。干しうどんは624円/kgから613円/kgと、わずかに価格が下がっています。

スパゲッティは515円/kgから553/kgへと、7.4%の値上げになっています。

即席めんは1袋当たり10円の値上げで、こちらも7.1%増です。

生中華麺が2015年に大幅に価格が上がっています。集計方法が変わったか、エラー値でしょうか。2016年以降は390円/kg程度で推移しています。

まとめ

という訳で、いろいろな粉もんが値上げされているようでした。いよいよ消費税が10%になることもあり、2019年の店頭価格は上がるのか、下がるのか、気になるところです。

次回は野菜、生鮮食品を見てみましょう。

 

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